2016/07/09

アメリカ6月雇用統計(2016年)は非農業雇用+28.7万人と一転して大幅増

米6月雇用統計が7月8日に発表されました。

非農業部門雇用者数 +28.7万人(市場予想+18.0万人。前月分は+1.1万人、前々月分は+14.4万人に修正)

失業率 4.9%(市場予想4.8%)

非農業部門雇用者数の推移は、

米非農業部門雇用者数の推移のグラフ2015年7月~2016年6月
7月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月6月
+27.7+15.0+14.9+29.5+28.0+27.1+16.8+23.3+18.6+14.4+1.1+28.7
単位:万人

5月の非農業部門雇用者数は+3.8万人(修正前)とネガティブサプライズになりましたが、6月非農業部門雇用者数は市場予想+18.0万人に対し+28.7万人と大幅に上回り、ポジティブサプライズになりました。しかし、マーケットでは非農業部門雇用者数の上振れ期待が高かったことと、利上げ予測には影響を与えないという見方が多かったことでドル大幅上昇とはならなかったようです。

5月分の非農業部門雇用者数が上方修正されるのではないかという期待もマーケットには多かったようですが、逆に+1.1万人と下方修正されました。しかし、6月分の非農業部門雇用者数と合わせて考えると、1カ月平均+14.9万人となり、まずまずではないかという見方が多いようです。

非農業部門雇用者数の民間の内訳と政府機関合計は、

項目4月5月6月
民間合計+14.7-0.6+26.5
財生産小計-1.2-4.1+0.9
建設業-0.6-1.6±0.0
製造業+0.5-1.6+1.4
サービス業小計+15.9+3.5+25.6
卸売業+0.6-0.44+0.36
小売業-0.22+0.3+2.99
輸送業+1.19+0.36-0.94
情報業±0.0-3.9+4.4
金融業+2.1+1.4+1.6
専門職+5.7+1.8+3.8
派遣業+0.98-1.9+1.52
教育・医療業+4.7+5.2+5.9
接客業+1.5-0.3+5.9
政府合計-0.3+1.7+2.2
総計+14.4+1.1+28.7
単位:万人
※重複等あるので各項目を合計しても総計にはなりません。

建設業、製造業はマイナスから脱しました。特に製造業が大きく伸びました。
情報業が大きく伸びましたが、5月分のデータにおいて米通信会社ベライゾン・コミュニケーションズで約3万5100人が関わったストライキの影響があったものが6月は剥落したことが影響しているようです。
レジャー・接客業もマイナスからプラスに転換し、大きく伸びました。
卸売業、金融業、専門職、派遣業、教育医療業は前月より伸びました。
小売業、輸送業は減速しました。
政府部門は前月より伸びました。


失業率は前月の4.7%から悪化し4.9%になりました。しかし、引き続き5%を切る低水準であることと、労働参加率が上昇したための影響という見方があり、あまり問題視されていないようです。

労働参加率は、前月の62.6%から上昇し、62.7%となりました。
平均賃金は、前月の25.59$から0.1%上昇し、25.61$となりました。平均賃金の伸びが低いために、6月雇用統計(の非農業部門雇用者数)が好結果でも7月FOMCでの利上げはないという見方がマーケットには多いようです。

本人の意に反して職探しをあきらめた人や、正規雇用を望みながらパートタイムで働く人を含めたU6失業率は、前月の9.7%から0.1ポイント低下し9.6%になりました。9.7%未満というのは、2008年4月の9.2%以来の好結果でした。

失業率の推移は、

米失業率の推移のグラフ2015年7月~2016年6月
7月8月9月10月11月12月1月2月3月4月5月6月
5.35.15.15.05.05.04.94.95.05.04.74.9
単位:%


6月雇用統計は、非農業部門雇用者数が+28.7万人と市場予想を大幅に上回るポジティブサプライズでしたが、平均賃金の伸びが前月比+0.1%と低かったことや、英国のEU離脱の影響を慎重に見極めたいという思惑から、マーケットの年内の利上げ期待はあまり高まらなかった模様です。