2016/02/06

アメリカ1月雇用統計(2016年)は非農業雇用+15.1万人と予想下振れも失業率4.9%に低下

米1月雇用統計が昨日発表になりました。

非農業部門雇用者数 +15.1万人(市場予想+19.0万人。前月分は+26.2万人、前々月分は+28.0万人に修正)

失業率 4.9%(市場予想5.0%)

非農業部門雇用者数の推移は、

米非農業部門雇用者数の推移のグラフ2015年2月~2016年1月
2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月
+26.5+8.4+25.1+27.3+22.8+27.7+15.0+14.9+29.5+28.0+26.2+15.1
単位:万人

過去データが改定になっていたので、修正しました。

非農業部門雇用者数は市場予想+19.0万人に対して+15.1万人と下振れましたが、失業率が4.9%と2008年2月以来の低水準となり、後述しますが一時間当たり賃金も伸びたので、悪くない結果だったととらえる向きが多いようです。

非農業部門雇用者数が雇用拡大の目安となる+20万人を割り込みましたが、暖冬の影響で伸びていた建設業の雇用が1月は鈍ったことや、12月のクリスマス時期の輸送業の雇用が剥落したことなどの季節的影響が大きいとみられているようです。また、昨年の11月雇用統計のところでも書きましたが、イエレンFRB議長が「毎月+10万人程度でも労働力への新規参入者を吸収できる」とコメントしていたこともあり、不安視する向きは少ないようです。

非農業部門雇用者数の民間の内訳と政府機関合計は、

項目11月12月1月
民間合計+27.9+25.1+15.8
財生産小計+5.3+5.4+4.0
建設業+6.5+4.8+1.8
製造業+0.3+1.3+2.9
サービス業小計+22.6+19.7+11.8
卸売業+0.97+0.51+0.88
小売業+5.18-0.08+5.77
輸送業+1.18+1.70-2.03
情報業-1.8+0.8+0.1
金融業+1.8+1.0+1.8
専門職+4.8+6.0+0.9
派遣業+0.07+2.51-2.52
接客業+4.6+3.1+4.4
政府合計+1.0+1.1-0.7
総計+28.0+26.2+15.1
単位:万人

※項目を少し変更しました。
  重複等あるので各項目を合計しても総計にはなりません。

建設業は暖冬の影響で雇用状況は好調でしたが、1月大きく減速しました。
製造業はドル高の影響で低調でしたが、改善傾向です。
小売業は前月のマイナスから大きくプラスに転換しました。
輸送業はクリスマス商戦の影響が剥落し、大きく減速しマイナス転換しました。
専門職・派遣業も大きく減速しました。
政府部門もマイナス転換しました。


失業率は5%を割り4.9%となり、完全雇用といっていい水準です。
労働参加率は、前月の62.6%から0.1ポイント上昇し、62.7%となりました。
一時間当たり賃金は、前月の25.27$から0.12$上昇し、25.39$となりました。非農業部門雇用者数は減速しましたが、一時間当たり賃金の上昇と失業率の低下により、雇用情勢は堅調に改善しているととらえる向きが多いようです。2016年になってからのマーケットの混乱を受けて、年内の利上げは無理ではないかという予想が増えていましたが、1月雇用統計の結果により利上げは無理という予想はいくぶん後退し、3月利上げ予想が再燃しているようです。
本人の意に反して職探しをあきらめた人や、正規雇用を望みながらパートタイムで働く人を含めたU6失業率は、前月と同値の9.9%でした。

失業率の推移は、

米失業率の推移のグラフ2015年2月~2016年1月
2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月1月
5.55.55.45.55.35.35.15.15.05.05.04.9
単位:%

1月雇用統計は、非農業部門雇用者数は市場予想を下回る+15.1万人と減速しましたが、一時間当たり賃金が前月より0.12$上昇し、失業率も2008年2月以来の低水準となる4.9%に改善したことで、3月利上げ予想が再燃する結果となりました。