2014/06/19

6月FOMC声明(2014年)は市場予想よりもハト派的スタンス

今週17日~18日にかけてのFOMCで、声明が発表されました。

  • 7月からMBSの購入を現在の月間200億ドルから150億ドルに縮小、長期国債の購入を現在の250億ドルから200億ドルに縮小することを決定。
  • 多くのメンバーが2015年の初回利上げを見込む。
  • 量的緩和終了後もしばらくは、低金利が継続する可能性が高い。
  • 経済活動の成長はここ数カ月回復している。
  • 労働市場の指標は概ね一段の改善を示した。
  • 失業率は低下したものの高いままだ。
  • 家計消費は緩やかに上昇している。
  • 設備投資は前進を再開した。
  • FOMCはFF金利の誘導目標を0.0%から0.25%の範囲で維持する期間の決定に関して、2%のインフレと最大雇用の目標に向けて実現かつ予想される進展を評価する。
  • 予想インフレ率が2%の長期目標を下回り、長期的なインフレ期待が十分に抑制されれば、資産購入プログラムを終了した後もかなりの時間にわたりFF金利を現在の目標範囲に維持することが適切である可能性が高い。

イエレンFRB議長の会見は、次の通りです。

  • 経済は持ち直しの過程にあり、今後も改善が継続する見通し。
  • 年内に正常化について詳細を説明する。
  • 最近のインフレデータはやや高めだった。
  • FOMCが予想していたよりも失業率は低下した。
  • FOMCは量的緩和の緩やかな縮小を決定した。
  • 失業率は高いままだ。
  • もし経済が予想よりも強い場合は早期に利上げを実施する可能性がある。半面、経済が予想より弱い場合は緩和策をより長期間維持する可能性がある。
  • 経済回復のペース加速は利上げのペース加速を意味する。
  • 利上げ開始のタイミングは実際の進展次第。
  • 市場の低ボラティリティがリスクテイクを誘発するなら懸念材料だ。
  • 償還資金の再投資について、まだ結論は出ない。
  • MBS売却の公算は小さい。
  • インフレ目標より先に雇用の目標を達成する可能性。
  • QE終了から利上げ開始までの期間は決まっていない。

大方の予想通り、MBS購入を50億ドル、長期国債購入を50億ドルの計100億ドル縮小しました。今まで通りのペースで縮小が進んでいます。今年の残りのFOMCは7月・9月・10月・12月とあるので、経済状況の急変等がなければ年内終了できる予定ですね。

今回のFOMCを迎える前に、17日に発表された5月消費者物価指数が前年比+2.1%、コア前年比+2.0%と市場予想を上回る強さだったために、声明がタカ派的になるのではないかという見方が多くなっていました。実際には、経済回復のペースが加速すれば利上げのペースも加速するという点はタカ派的で、経済は回復しつつあり予想していたよりも失業率の低下が早かったということはあるものの、失業率は依然として高いという点は変わらず、量的緩和終了後もしばらくは低金利が継続する可能性が高いという点も今までと変わらずハト派的な色彩が強いという結果でした。

また、2014年GDP予想では、従来の2.8~3.0%を下方修正して2.1~2.3%となりました。ただ、これについては冬の寒波の影響があったとして一時的なものとしています。2015年~2016年については据え置きました。

上述のように、経済回復のペースが加速すれば利上げのペースも加速するということで、来年に想定されている利上げのペースが若干早まったということはあったようですが、長期の金利見通しは従来より低下したそうで、長期フェデラルファンド金利見通しは、4%から3.75%に低下したそうです。

今回は、市場予想は強い消費者物価指数を受けてタカ派に先走った一方で、FOMCでは一部タカ派的な部分はあったものの、おおむね従来通りのハト派的な見解を示したということのようです。

ちなみにイエレンFRB議長は、消費者物価指数ではなくてPCE(Personal Consumption Expenditure)コアデフレーターを重視していて、4月のPCEコアデフレーターは+1.4%で上昇傾向なものの、インフレ目標+2%まではまだ余裕があります。直近のPCEコアデフレーターの結果は、右欄の「アメリカ経済データ」に書いています。

さて、スタンレー・フィッシャーFRB副議長が16日に就任宣言を行ったそうです。2月にイエレン氏が副議長から議長になったので、フィッシャー氏もすぐその後に就任するかと思ったら、この時期になりました。名前が挙がってからずいぶんと時間がかかりましたが、こんなものなのかと少し感じた出来事でした。